2012 Fiscal Year Annual Research Report
大型有孔虫を用いたグレートバリアリーフにおける後氷期の海水準変動の高精度復元
Project/Area Number |
22740339
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
藤田 和彦 琉球大学, 理学部, 准教授 (00343377)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 大型有孔虫 / 海水準変動 / 後氷期 / 最終氷期最盛期 / 古水深 / グレートバリアリーフ |
Research Abstract |
今年度は,グレートバリアリーフ陸棚斜面 (水深42~167 m) の4海域34地点で掘削されたコアから主に未固結炭酸塩堆積物からなる195試料の有孔虫分析とデータ解析を行った.>2.0 mm 径,2.0-0.5 mm径の堆積物について有孔虫分析を行い,産出個体数 (#/g),群集組成 (%) を明らかにした.得られた2.0-0.5 mm 径の有孔虫群集データを基に多変量解析 (Q-モード・R-モードクラスター解析,非計量多次元尺度法)を行った.また,HYD_02C測線のいくつかの層準で有孔虫化石の放射性炭素年代を測定した.さらに,Baculogypsina sphaerulataの産出個体数が10個体以上の試料から保存度 (破損度,摩耗度,色)を求めた.>2.0 mm 径の堆積物では,Operculina spp. が他の有孔虫よりも多く産出する.特に陸棚斜面深部のコア下部 (含泥量の多い層準) で多い.2.0-0.5 mm 径の堆積物では45分類群の有孔虫が同定される.群集組成に基づく多変量解析の結果,5つの群集 (A・B・C・D・E) が認められる.各群集組成と現世有孔虫の分布とを比較した結果,群集Aは有光層上部 (水深0-30 m),群集Bは有光層中部 (水深30-60 m),群集C・D・Eは有光層下部 (水深 >60 m)を示す.また,群集Cは砂泥底環境を,群集Dは群集Bから群集Eへの遷移環境を示唆する.群集Eが最も深く,現世の陸棚斜面のみにみられる.これらの中でも群集Aは過去の海水準の指標となる.群集の層位変化と有孔虫化石の放射性炭素年代に基づくと,約30,000年前まで海水準は現海水準より約80 mより上の位置にあり,その後徐々に海水準は低下したと考えられる.そして約20,000年前~約19,000年前に海水準は最も低下したと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)