2010 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍細胞のテロメラーゼ活性検出とメチル化遺伝子の電気化学的検出による相関解析
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22750072
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 しのぶ 九州工業大学, バイオマイクロセンシング技術研究センター, 研究職員 (80510677)
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Keywords | テロメラーゼ / TERT / メチレーション / 電気化学 |
Research Abstract |
本研究は、癌細胞で特異的に発現しているテロメラーゼとテロメラーゼ関連遺伝子(hTERT)のメチレーションについて、高感度検出法である電気化学測定を利用して解明する事を目的としている。本年度はテロメラーゼ活性測定の最適化とhTERT遺伝子のメチルか検出条件の最適化を行った。 電気化学的テロメラーゼ活性測定の感度上昇を目指して、テロメラーゼ反応前後で必要な電気化学測定において、電気化学的な前処理を試みた。その結果、唾液、口腔内粘膜由来の細胞、癌組織由来のサンプルであっても安定なデータを得ることができるようになった。さらに既存の活性測定法であるTRAP法と電気化学的手法との感度の比較を試みたところ、電気化学的手法は10倍高い感度でテロメラーゼ活性を検出できることがわかった。 hTERT遺伝子のメチル化状態の検出について、電気化学指示薬としてフェロセン化ナフタレンジイミドを利用したハイブリダイゼーションアッセイを行った。メチル化サンプルはフルマッチ、非メチル化サンプルはミスマッチになるようプローブ設計した。プローブDNAの固定化密度、測定温度を最適化した。ランダムにメチル化されているゲノムDNAをターゲットとして、亜硫酸処理、メチル化特異的PCRにより増幅されたサンプルを電気化学測定し、サンプルのシーケンスを行ったところ電気化学応答に対応する結果を得ることができた。また、メチル化サンプル、非メチル化サンプルの混合比を変えたサンプルをメチル化特異的プローブの検出を試みたところ、メチル化サンプルの混合量に応じて定量的な電流増加を得ることができた。
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