2011 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍細胞のテロメラーゼ活性検出とメチル化遺伝子の電気化学的検出による相関解析
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22750072
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 しのぶ 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 助教 (80510677)
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Keywords | テロメラーゼ / TERT / DNAメチレーション / 電気化学 |
Research Abstract |
電気化学測定において、電極上での酵素反応前後での電気化学応答値から、DNAの固定化挙動が異なっていることが推測された。これまでにこれを解決するために、電気化学的な前処理を行うことで、酵素反応前後で同様のDNA状態で固定化することができた。本年度は、昨年度得られた知見を元に、以下の実験を推進した。 (1)基礎検討 24塩基中に5つのメチル化部位を有する領域に対して、6種類のメチル化プローブを準備した(メチル化個が0、1、2、3、4、5個であるM0、M1、M2、M3、M4、M5プローブである)。これに対して、モデル配列として、M0、M3、M5と相補的な領域を有する120merのM0、M1、M5ターゲットをそれぞれハイブリダイゼーションさせたときのM0-M5プロープに対する応答を観察したところ、それぞれ対応するターゲットでのみ顕著な電流増加を観察することができた。また、配列不明のゲノムDNAに対して、電気化学測定を行ったところ、M4に対して最も大きな応答を示した。このゲノムDNAのシーケンスを行ったところ、5つのメチル化部位り内、一部の部位がメチル化されていないことから、電気化学測定の結果と同様の結果を得ることができた。 (2)相関解析について 単一の腫瘍細胞サンプルから細胞抽出液とDNAを抽出した。細胞抽出液は、テロメラーゼ活性測定へ適用し、サンプル溶液中のテロメラーゼ活性について、TRAP法と電気化学測定法で観察したところ、ともにテロメラーゼ活性に由来する応答が確認された。これに対して、同じサンプルの電気化学測定を行ったところ、M0プローブでの電流増加は10%であるのに対し、M1、M2、M4プローブでは40%、M5プローブでは80%とM5プローブに対して特に高い電流増加を示した。
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