2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22750197
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
松葉 豪 山形大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (10378854)
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Keywords | ポリエチレン / 結晶化 / 量子ビーム |
Research Abstract |
延伸流動場における分子量による効果を主にX線散乱および新型顕微鏡装置を組み立てて観察することを試みた。特に、既存の高速度カメラに新たにレンズおよび治具を制作し、ミクロンスケールの構造形成プロセスを直接観察することを成功した。流動印加直後は、あまり何も観測されないが、流動印加数秒後から徐々にいわゆるフィブリル状の配向構造が徐々に発展することを示すことが出来た。このフィブリル状構造の直径は、分子量やせん断条件に対してほぼ独立であることがわかった。長さについては強いせん断を印加すると大きくなる傾向があることが示された。一方,X線散乱測定から、このフィブリル状の構造は結晶を一部含んでいることが示された。現在、さらに詳細な解析を進めている。 中性子散乱測定は本年度実施することは出来なかった。そこで、2010年度に測定した分を精査することによって、さらに情報が得られないか解析を行った。ミクロンスケールのフィブリル状構造については、in-situ測定の結果と同様ほとんど分子量依存性は見られなかった。一方、ナノスケールの構造についてはかなり強い分子量依存性が見られた。すなわちまず大きな分子量成分が引き延ばされてそのあと、ラメラ晶から小さな分子量成分が引き抜かれることで一見すると小さな分子量成分が伸びているように見えることを示した。分子量の制御によって、繊維構造を制御することは十分可能であり,より配向が進んだ「高強度・高弾性率」繊維の作成に対して何らかの指針を与えることが出来た。
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Research Products
(8 results)