2010 Fiscal Year Annual Research Report
動的偏光制御特性を有する液晶電気化学発光セルの開発
Project/Area Number |
22760009
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
本間 道則 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (90325944)
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Keywords | 液晶 / 電気化学発光 / 偏光発光 |
Research Abstract |
液晶ECL(電気化学発光)セルにおける発光特性の改善と発光メカニズムの検討を主たる目的とし,実験により検討を行った。主な結果は次のとおりである。まず,更なる発光特性改善に向けた知見を得るために,有機蛍光色素(ルブレン)を混合した液晶材料(5CB)を加熱することによってECL輝度が増加する現象に着目し,吸光度の測定による色素濃度の定量評価,蛍光強度の測定による蛍光量子効率の評価を行った。処理温度に対する色素濃度の依存性が定性的に議論され,加熱により液晶溶液内の実効的な色素濃度が増加し,輝度が上昇する可能性を明らかにした。さらに,蛍光量子収率もまた処理温度の増加とともに増すこと,および大幅な輝度の上昇は色素濃度の上昇のみでは説明できないことから,輝度の上昇には蛍光量子収率の上昇もまた関与しているものと結論付けた。 次に,異なる有機蛍光色素材料(ルブレン,クマリン6)を用いてくし形電極構造の液晶ECLセルを作製し,その発光特性を比較したところ,ルブレンドープセルの方がクマリン6ドープセルよりも1桁高い輝度を示した。これはクマリン6に比してルプレンのHOMO準位とLUMO準位の差が小さく,電子とホールの注入が容易であったためと推測される。すなわち,液晶ECLの発光特性に関しては色素のHOMO/LUMOギャップが関与していることを示唆している。また,液晶ECLのPLとECLのスペクトルを比較したところエキシマーやエキシプレックスに起因した発光は認められず,発光プロセスにも関与しないことが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)