2010 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ加工とエッチングを併用した3次元鏡面微細形状創成法
Project/Area Number |
22760106
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute |
Principal Investigator |
若林 正毅 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 開発本部・開発第一部, 研究員 (50560140)
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Keywords | レーザ加工 / 微細加工 / 精密加工 / ガラス / YAGレーザ / エッチング |
Research Abstract |
製品サイクルの短縮化や商品の多様化,低コスト化,高機能化に対応するためには,従来の半導体プロセスよりも簡便かつ設計変更が容易な微細加工法が求められている。本研究では,微小光学部品やマイクロ流路部品の高機能・高感度化を実現するため,ガラスに対して鏡面創成が可能な3次元微細形状加工法の確立を目的とし研究を行っている。これまでにレーザ加工とエッチングの併用を提案し,鏡面かつ球面のレンズアレイ形状の実現とノングレア反射防止形状を実現してきた。さらに本鏡面微細加工法の形状制御性を高めるために,レーザ発振器には高い安定性が得られる空冷DPSSレーザ(出力8W,波長1064nm,発振周波数1kHz-20kHz)を選定し,新規にレーザ微細加工装置の設計と構築を行った。具体的には,ガルバノスキャナとfθレンズを組み合わせた高速走査が可能なレーザ照射方式を採用し,さらに加工範囲と加工精度のトレードオフを考慮に入れ微細加工装置を設計・試作した。また,スキャナ用ミラーは非常に高額であるため,イオンビーム成膜装置で石英基板にアルミ薄膜を成膜し,ガルバノ用のミラーを自作して搭載した。また,ガイド光及びレーザの照射位置を任意に制御するため,精密な位置決めが可能な制御ソフトの開発を行った。その結果,1μm以下の分解能で位置決めし,約50mmの範囲に対してレーザ照射が可能なシステムを構築できた。次に,ガラスのレーザ加工を可能にするため,イオンビーム成膜装置によりガラス基板に各種の吸収物質を成膜し,基礎特性の調査を行った。今後は成膜したガラス基板に対して微細加工実験を行い,鏡面創成が可能な3次元微細形状加工法の確立を目指す。
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