2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760146
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
長谷川 雅人 金沢大学, 機械工学系, 助教 (40324107)
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Keywords | 対流 / 感温性ゲル |
Research Abstract |
本年度は,ゲル特性をより均質にしかつ十分な量を確保するため,供試ゲルの原料に高吸水性ポリマーとして市販されている,部分的に架橋したアクリルアミドとアクリル酸カリウムの共重合体をイオン交換したものを用いた.体積一定で拘束した際にゲルが示す圧力(膨潤圧)を測定したところ,昨年度のゲル(同じ乾燥重量)の3倍程度の値を示した.さらに,温度変化に対する応答速度も大幅に短縮され,周囲環境の変化に対し,より顕著な反応を示すことが解った. カプセルの作成に際しては,直径7mm,高さ4mmの円筒状領域にゲルと空気を層状に封入した状態を想定した.温度上昇時に封入空気の膨張に抗してゲルが膨潤する必要があるが,前述のゲル特性試験結果と気体の状態変化とから試算した結果,10℃から40℃の間で膨潤可能であることが解った.さらに,1.5mm厚のアクリル樹脂円筒および1mm厚オーダーのアクリル樹脂板(端面)を用いたカプセル容器を構成した場合の試算では,端面厚さを調整すれば水との密度逆転が可能となることが解った. これを実証するため,一定時間ごとに10℃と40℃の間を変動する水中におけるカプセルの浮沈の様子を観察した結果,初期数回の温度変動に対しては想定通りの浮沈挙動を示した.次第に温度変化に追従しなくなるようになるが,原因としてカプセル内空気が僅かずつ漏洩していることが想定され,今後はよりガスバリア性の高いフィルム・接着剤の使用を試み,温度変化への安定した追従を確認した後,当初計画の対流発生観察,熱伝達特性計測を実施する予定である.
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