2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760180
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 正宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50447140)
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Keywords | 筋芽細胞アクチュエータ / マイクロロボット / 細胞の機械刺激応答 |
Research Abstract |
現在,必要箇所へ的確に微量の液体や気体を輸送するための手段としてマイクロポンプが使用されている.マイクロポンプは,工学的には携帯電話やノートパソコンなどのモバイル機器に搭載されるモバイル用燃料電池や冷却機,MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いた少量の液体や気体を正確に分析できる測定器としての活用など多岐にわたって使われている.また医学的には,インスリンを投与するための人工膵臓としての活用や,血流を測る測定器などで使われている.一方,我々の血管や心臓も血液を送り出す役割を持っているという点でマイクロポンプと同じであり,これらが欠損した場合は代替となる器官が必要となる.しかし先述のマイクロポンプを血管や心臓などの代替として使うことを考えると,現在使われている素材は生体親和性という観点から製作されておらず,拒絶反応という問題が存在しているため体内埋め込み型のデバイスとしての活用は難しい. 本研究では,生体の持つ自己修復能力や生体親和性に着目し,体内埋め込み型マイクロポンプを目指して生体由来組織のみで構成されたアクチュエータを製作した.細胞の機械刺激応答を活用してアクチュエータの形状を設計・作成した.具体的には,大阪工大藤里らの方法を拡張することにより,湾曲形状を有する筋細胞アクチュエータを作成した.作成した筋細胞アクチュエータに電気刺激を印可し,アクチュエータとして駆動することを確認した.このアクチュエータは肉眼で十分に観察できるほど大きな構造物であることに注意されたい.
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