2010 Fiscal Year Annual Research Report
金属/半導体界面の終端効果とバンドアライメントの決定機構に関する研究
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22760244
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西村 知紀 東京大学, 大学院・工学系研究科(工学部), 技術職員 (10396781)
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Keywords | 電子デバイス・集積回路 / フェルミレベルピンニング |
Research Abstract |
フェルミレベルピンニング(FLP)の緩和が観測された熱酸化膜(GeO2)の金属/Ge界面への導入にならい,熱的な反応によるGeとの界面形成,及び金属を接触させた際のFLPの振る舞いを調査した.ガラス製のアンプル内にGe基板とSを真空封止し,加熱(300~500℃)する事により,Sの飽和蒸気圧により制御された熱硫化膜(GeS,GeS2)を形成することに成功した.また熱硫化膜の大部分は約3eVのバンドギャップを持つGeS2により構成されていることがわかった.十分に厚い(約5nm)硫化膜を用いた金属/GeS2/Ge MISキャパシタではFLPを生じず、Ge-電界効果トランジスタにおいて良好な移動度特性が得られたGeO2/Ge界面と同等の良好な(低界面準位密度の)界面が形成された.しかしながら,1~2nmの極薄領域においては非常に強いFLPを生じており,またそのFLPレベルはGeの価電子帯端よりMidGap付近へのシフトがみられた.既に酸化膜が1~2nmの膜厚でFLPが完全に緩和しない事実に加え,同様の膜厚領域で一切緩和を生じない硫化膜の結果より,金属/Ge界面で生じるFLPは,金属からGe中への波動関数の染み出しにより説明されるMetal induced gap states(MIGS)のみでは説明されないことが明らかになった.一方で硫化膜/Ge界面において生じたFLPレベルのシフトはGe間結合に近いGe-S結合により特徴的な表面構造が形成されている可能性があり,このことは界面やその近傍に存在する半導体原子の結合構造がピンニングレベルと相関していることを示した.
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Research Products
(4 results)