2010 Fiscal Year Annual Research Report
3次元集積構造によりビーム制御機能を有する共鳴トンネルダイオードテラヘルツ発振器
Project/Area Number |
22760247
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 左文 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (40550471)
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Keywords | テラヘルツ / 超高速デバイス / 量子エレクトロニクス |
Research Abstract |
テラヘルツ周波数帯光源のキーデバイスである共鳴トンネルダイオード(RTD)を用いたテラヘルツ発振器により、テラヘルツ帯大容量無線通信の実現が期待出来るが、現状のデバイスでは発振出力をシリコンレンズを介して取り出すようになっているため、テラヘルツ帯通信で必要不可欠となる指向性向上など、ビーム制御機能の実現は難しい。よって、そのような機能を3次元立体構造により実現したRTDテラヘルツ発振素子を作製することを目的とし研究を行った。 ビーム制御のための3次元的な構造を持つRTD発振素子として、発振素子真下のInP基板の薄膜化と、その裏面にパッチアンテナを集積する新しいデバイス集積構造に関して、理論計算によりその放射パターンを見積もった。基板を20μm程度まで薄膜化することにより、裏面にあるパッチアンテナが八木アンテナの導波器のような役目を果たし、シリコンレンズ無しで出力を空気中へ放射させることがシミュレーションより分かり、また、それにより5dBi程度の指向性で放射されることが見積もられた。 実験では、ウエットエッチングによる基板薄膜化のコントロールについて条件出しを行った。InP基板は数100μmの厚さがあるため、エッチングレートの早いHClのみのエッチャントを使用し、スターラーにより撹拌しながらエッチングを行うことによって、表面のラフネスを±数μm程度に保ちながらエッチングが可能なことが分かった。これにより、上記シミュレーション構造の作製が可能になった。
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Research Products
(32 results)