2012 Fiscal Year Annual Research Report
断層極近傍の塑性化に伴う特徴的な地震動の生成メカニズムの分析
Project/Area Number |
22760346
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
後藤 浩之 京都大学, 防災研究所, 助教 (70452323)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 地震工学 / 断層運動 / 津波 |
Research Abstract |
本年度は,地表に断層破壊が及ぶ地表断層地震のうち海域で発生する地震ついて着目し,地表断層地震の破壊形態の違いによって津波の励起がどのように異なるかについて考察した.昨年度までの研究成果によれば,地表断層地震に比べて,破壊が地表に及ばない潜在断層地震の方が同じ地震の規模であれば強い地震動を生成する可能性があることを指摘できる.この理由は,地表断層地震が地表近くで比較的ゆっくりと破壊して断層すべりを生じることであることから,地表近くのすべりの大きさが重要となる津波の励起については別途考察する必要がある.熊野灘沖では南海トラフに対応するプレート境界と,プレート境界から分岐して地表におよぶ不連続面(分岐断層)が認められている.双方の断層運動に対して津波の発生を考慮すべきと考えられているため,本研究では双方の断層破壊の違い,および引き起こされる津波の相違について力学的な側面から考察した. テクトニックな応力場,断層面の摩擦係数などを両断層モデルについて統一し,熊野灘沖を想定した地殻構造を与えて動的な断層破壊シミュレーションを実施した.応力場の主応力方向が未知であるため,様々な主応力方向を設定し,それぞれのケースについて解析したところ,いずれのケースにおいても分岐断層よりプレート境界断層の方が相対的にすべりが大きくなることが示された.この理由は,プレート境界断層の方が低角であるため,地表に破壊フロントが達するまで断層すべりの成長に必要な時間を長く稼げるためである.その他,様々な要因を総合的に判断したところ,プレート境界の方が相対的に大きな津波を生成する可能性のあることを指摘した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)