2010 Fiscal Year Annual Research Report
破砕や泥濘化などに由来した各種特殊土の力学挙動の骨格構造概念に基づく弾塑性記述
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22760354
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中井 健太郎 名古屋大学, 工学研究科, 即教 (60402484)
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Keywords | 特殊土 / 弾塑性構成式 / 有機質土 / 泥岩 / 土の骨格構造 / SYSカムクレイモデル / 室内力学試験 / 数値解析 |
Research Abstract |
特殊土とは,従来の地盤工学の手法だけでは設計施工ができないような土で,通常の施工管理では予測できない問題や被害を起こすことがある.本申請課題では,特殊土の力学特性を室内試験および数値解析の両面から把握するとともに,特殊土地盤で生じる特徴的問題の発生要因やその発生メカニズムを解明することを目的とする. 粘土や砂と特殊土の比較を行うため,舞鶴若狭自動車道向笠地区において長期・大沈下が問題となっている有機質土を対象に,粘土地盤における長期・大沈下の簡易判定法が特殊土(有機質土)にも適用できるのかを検証したその結果,有機質土には木片などの異物が混入しているものの,圧縮指数比を求める上ではさほど大きな問題ではなく,提案の簡易判定法の有効性を確認した.また,練返し試料の作製方法とともに構成式研究の土台となる正規圧密線の算出方法を提案した. SYS Cam-clay modelは,土の骨格構造(構造・過圧密・異方性)とその働きを内包した弾塑性構成式であり,鋭敏な自然堆積粘土から砂,そして両者の混在した中間土まで,様々な土の力学挙動を統一的に記述することが可能である.未解明な部分が多い特殊土の力学挙動を記述するために,骨格構造(構造・過圧密・異方性)の発展の仕方に着目し,対象を広げて特殊土の力学挙動の再現を試みた.SYSカムクレイモデルに関する既往の研究成果では,単調載荷挙動の再現性能は十分であったが,繰返し載荷挙動の再現性能については十分確認が取れているとは言えなかった.そこで特殊土の繰返し挙動を把握して弾塑性記述するための準備段階として,22年度は再現性が高く取り扱いやすい再構成粘土試料の非排水繰返し三軸圧縮試験を実施し,土の繰返し挙動を把握するとともに,現状の構成式の再現性能を確認し,構成式の精緻化のための基礎データを収集した.
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Research Products
(2 results)