2010 Fiscal Year Annual Research Report
ゲリラ豪雨時の斜面崩壊メカニズムの解明のための計測技術・数値解析手法の高度化
Project/Area Number |
22760357
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小山 倫史 京都大学, 工学研究科, 助教 (20467450)
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Keywords | ゲリラ豪雨 / 雨水浸透 / 斜面 / リアルタイム・モニタリング / サンドカラム試験 / 数値解析 / 統合型地下水解析 / 応力-浸透連成挙動 |
Research Abstract |
本年度はゲリラ豪雨時の斜面崩壊メカニズムと考えられる土中への雨水浸透挙動の把握のためにサンドカラムを用いた降雨実験を実施した.本実験の新規性として,ゲリラ豪雨の特徴である強い降雨強度および大きな雨滴粒径を考慮している点および不飽和土への雨水浸透における間隙空気の挙動の把握を行っている点が挙げられる.本実験より,雨滴の大きな強い降雨強度の雨は土中の空気との置換が滞ることにより空気圧が上昇し,雨水浸透挙動が妨げられる.その結果,地中深くまで飽和域は進展せず,斜面においては表面流の発生が起こることがわかった.すなわち,浸透による破壊より表面侵食による破壊が卓越するものと考えられる.一方,ゲリラ豪雨のように,降雨強度が急激に変化する降雨に対しては,計測間隔のより短いリアルタイム計測が必要であり,本研究では,超音波レベル計およびレーザー変位計を用いたリアルタイム雨量計の開発を行った.また,本システムは,次年度以降実施予定の現場計測に向けて,太陽光パネルを用いた自己発電型のシステムとし,雨滴センサーによって降雨を感知し,システムに電源が入るといった省電力のシステムを構築した.計測された雨量は,浸透流解析において,降雨入力条件として用い,土質材料の不飽和浸透特性とともに評価することで,ゲリラ降雨の雨水浸透挙動のシミュレーションを実施した.解析の結果,これまでの通常の降雨時の雨水浸透挙動との相違が見られ,間隙空気圧を考慮した解析の必要性,および降雨境界条件の設定方法(リアルタイム計測の必要性)について検討を行った.
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Research Products
(5 results)