2011 Fiscal Year Annual Research Report
基礎地盤の影響を考慮した液状化に伴う盛土の被害スクリーニング手法の開発
Project/Area Number |
22760362
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Research Institution | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 |
Principal Investigator |
中島 進 公益財団法人鉄道総合技術研究所, 構造物技術研究部・基礎土構造研究室, 副主任研究員 (20522478)
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Keywords | 盛土 / 液状化 / 地震 / スクリーニング |
Research Abstract |
地震による盛土の被害形態は、(1)基礎地盤の液状化による被害、(2)慣性力による盛土本体の被害に大別できる。本検討では、(1)の基礎地盤の液状化による被害を対象として、基礎地盤条件に着目した被害スクリーニング手法を提案することを目的とした。一方で、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震においては、軟弱な粘性土地盤上に築堤された砂質土河川堤防の提体が粘性土の基礎地盤の圧密沈下によってめり込み、その結果地下水以深となった堤体部が液状化する被害形態が多く見られた。 以上の背景を踏まえつつ、研究最終年度の今年度は、過去に実施した動的遠心模型実験の再現解析およびパラメータスタディを実施し、液状化強度・液状化層、非液状化層および堤防高さを指標とした堤防沈下量のノモグラムを作成し、過去の地震被害事例との照合を行った。その結果、微地形区分に応じて、単純に液状化層と表層の非液状化層の厚さをパラメータとすることで、本研究で対象とした基礎地盤の液状化による盛土の被害を概ねスクリーニングできることが分かった。具体的には、微地形区分と液状化層の厚さに応じて、液状化による盛土の被害が生じない非液状化層の最低厚さの目安を提示した。しかしながら、東北地方太平洋沖地震で多く確認されたような軟弱粘性土地盤にめり込んだ提体部分が液状化する被害形態については、提案するパラメータのみでは被害形態として抽出できないため、別途考慮しなければならないことも明らかとなった。このため、基礎地盤への提体のめり込み(圧密沈下)が認められない条件であることも、併せて付記しつつ基礎地盤条件によるスクリーニング法を提案することとした。
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