2012 Fiscal Year Annual Research Report
地域分析手法の精緻化に向けた空間統計解析理論の融合
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22760383
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 亮 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (60401303)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 空間統計学 / 計量地理学 / 地価分析 / 地理的加重回帰 / 普遍クリギング / 属性値空間分布 |
Research Abstract |
本研究では,空間統計統計学・計量地理学で検討されてきた地域分析手法を統合し,それぞれの長所を活かした地域分析手法の開発とその適用可能性の検討を目指した.本年度の検討事項は以下の二点である. 一点目として,計量地理学で提案されてきた「地理的加重回帰(GWR)」と,空間統計学で議論されてきた「普遍クリギング(Universal Kriging)」を組み合わせた「GWRK」と呼ばれる分析手法に関して,地域分析への適用可能性を検討した.まず,Fotheringham et al.(2002)で提案されたGWRKのモデルは,クリギングに関する理論と整合していないことを明らかにした上で,その理論的不整合を解消した新たなモデルを提案した.その上で,過去10年の公示地価データを用いて,任意地点の地価を推定するという時空間内挿の問題に対する提案モデルの適用可能性を検討した.回帰分析・GWR・普遍クリギングによる時空間内挿結果との比較から,提案モデルは精度の高い地価の時空間内挿が可能であることを示した.しかし,提案モデルのパラメータ推定・内挿計算には,他のモデルと比較して膨大な計算時間を要することが明らかになり,地域分析へ応用することが実用上困難であることも明らかになった. 次に二点目として,空間統計学で提案されている空間上の点の集積を検出する手法である「空間スキャン統計」を拡張した属性値の空間分布分析法について,時空間への拡張とその適用可能性を検討した.東京都区部の不動産取引価格情報を利用した取引価格の偏在の分析を行い,公示地価水準と比較して相対的に高い,あるいは,安い取引価格を付ける地域や時期が存在することを明らかにし,その時空間分布を視覚的に表現した. 以上のように,本研究では,空間統計・計量地理学の分析手法を基に新たな空間分析手法を提案し,地価情報を例題に地域分析への適用可能性を検証した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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