2010 Fiscal Year Annual Research Report
意思決定の自由度とコミットメントの価値を考慮した交通料金差別化施策に関する研究
Project/Area Number |
22760389
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松島 格也 京都大学, 工学研究科, 准教授 (60303848)
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Keywords | 差別化料金 / コミットメント / 交通需要マネジメント / 社会厚生 / コミュニティカード |
Research Abstract |
本年度は,不確実性下における交通サービスの予約行動の特性を把握するとともに,コミットメント価値を明示的に考慮した行動モデルを構築した.経営学,交通軽済学,交通工学等の既往研究のレビューを行うとともに,多種多様なシステムが導入されている交通サービス予約システムの現状を調査した.その後,不確実環境下における交通サービス消費行動をモデル化し.意思決定の自由度とコミットメントの価値を理論的に導出した. 不確実な環境下における交通サービス消費行動のモデル化にあたっては,研究代表者がこれまで携わってきた不確実性下における行動モデルを援用した.その際これまでに構築した行動モデルにおいては表現されていない企業と家計との相互作用が明示的に考慮した.また,コミットメントや意思決定の自由度の便益を明示的に導出できるモデルを構築した.探索理論モデルと行動の戦略的相補性の概念を援用することにより,新しい概念モデルの構築に成功した.これまでに研究代表者は,戦略的相補性が働く交通市場構造の分析に関して多数の研究を行っている.そこでは,交通行動の相補性に起因して,交通利用が増加する可能性と減少する可能性が双方存在することを指摘している.さらに,独占企業や寡占企業の料金設定戦略の評価に関する研究実績もすでに蓄積している.コン年度においては,これらの研究成果を援用することにより,コミットメントと意思決定の自由度の経済価値を明示的に評価できるようなプロトタイプモデルを構築した.
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Research Products
(9 results)