2011 Fiscal Year Annual Research Report
RC造建物の有開口非構造壁を構造壁として活用するための性能向上に関する研究
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22760431
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Research Institution | National Institute for Land and Infrastructure Management |
Principal Investigator |
諏訪田 晴彦 国土技術政策総合研究所, 建築研究部, 研究官 (50356002)
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Keywords | RC / SHCC / 有開口壁 / 非構造壁 / 材料特性 / 収縮ひび割れ |
Research Abstract |
平成23年度は,SHCCのフレッシュ性状,基礎的力学性状および収縮ひび割れ性状を検討することを目的として,練混ぜ実験,円柱供試体の圧縮・引張実験および壁板の収縮ひび割れの観察実験を実施した。 実験より得られた知見は以下の通りである。 ・PVA繊維を体積混入率で2.0%混入したSHCCの練混ぜ実験を同一配合によって3バッチ実施した結果,フロー値は222mm~224mm,空気量は4.3%~4.8%とばらつきも少ない安定したフレッシュ性状が得られた。 ・上記練混ぜ実験の各バッチより圧縮用3体,引張用3体の円柱供試体を採取して,力学性状に関する実験を実施した結果,圧縮性状については最大圧縮応力が28~32N/mm2と比較的ばらつきの少ない結果が得られたが,引張性状については,引張歪0.5%時の引張応力を比較すると1.16~1.93N/mm2と比較的大きなばらつきが見られた。 ・上記のSHCCを用いて,有開口壁板を打設し,収縮ひび割れの観察を実施した結果,壁板の全体に多くの収縮ひび割れが発生し、そのひび割れ幅は最大で0.08mm程度であった。 以上のことから,SHCCを実用化する上では,引張性状のばらつきの原因究明とその対策技術の確立,収縮ひび割れの低減技術の確立が重要な課題であることがわかった。
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