2011 Fiscal Year Annual Research Report
地方都市郊外住宅団地のソーシャルキャピタル形成と人口維持との構造分析に関する研究
Project/Area Number |
22760467
|
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
小川 宏樹 和歌山大学, システム工学部, 講師 (20425375)
|
Keywords | ソーシャルキャピタル / 郊外住宅団地 / 地方都市 / 人口減少時代 / 国勢調査 / 地域メッシュ統計 / 構造方程式モデリング |
Research Abstract |
1.近畿圏外縁部の郊外戸建て住宅団地の人口動態の分析 近畿圏南部の作成した地域メッシュ(500mメッシュ)での人口動態地図、土地利用図、都市計画図等をGIS上でレイヤー化し、都市構造と人口増加地域、人日減少地域の地域特性を把握した。さらに和歌山県和歌山市を対象に、町丁・字別に詳細な人口動態を分析するとともに、都市・住宅計画資料から1960~2000年に開発された住宅団地(計画戸数200戸以上)を把握し、アンケート調査の対象とする住宅団地を選定するための基礎資料を作成した。その結果、和歌山市北部の12団地を選定した。 *所属研究機関を変更したため、当初計画よりケーススタディ地域を和歌山県に変更した。 2.郊外戸建て住宅団地における「暮らしやすさ」に関する調査 上記で選定した和歌山市の郊外戸建て住宅団地の住民を対象に、居住歴、住宅や地域の住環境、今後の定住意識、地域活動等のソーシャルキャピタルに関する項目等に関するアンケート調査を実施した。これらの項目が、人口動態や継続居住の意向とどのような関係があるか分析を行った。 その結果、公共交通や道路のアクセス等の物的環境のほか、近所付き合いや自治会活動の活発さなどの社会環境に関する項目も継続居住の意向と関係があることが明らかになった。 また分析の際に、近年の新規入居者や今後の転居希望者といった特に住宅団地の人口動態に密接に関わる住民層に着目し、これらの住民の回答より「暮らしやすさ」-「ソーシャルキャピタル形成」-「人口維持」の構造モデルの検討を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所属研究機関が、平成23年10月より秋田県立大学から和歌山大学となったため、当初予定していた郊外住宅団地の居住者に対する住環境評価に関するアンケート調査の対象地域を、秋田市から和歌山市に変更したが、平成23年度中に調査も完了し、当初の予定通り概ね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
郊外住宅団地の居住者に対する住環境評価に関するアンケート調査の集計および分析を進め、郊外戸建て住宅団地における「暮らしやすさ」・「ソーシャルキャピタル形成」・「人口維持」という構造モデルを構築・分析することで、郊外住宅団地を維持していくための条件を明らかにする。
|
Research Products
(9 results)