2010 Fiscal Year Annual Research Report
用途転用した公共建築物の事後評価に基づくストック型デザインプロセスの構築
Project/Area Number |
22760478
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
池添 昌幸 福岡大学, 工学部, 准教授 (90304849)
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Keywords | 公共建築物 / 用途転用 / デザインプロセス / 民間利用 / 市町村合併 / ストック利用 |
Research Abstract |
初年度である平成22年度は、平成17および19年に実施したアンケート調査結果を再整理し、自治体別の分析を行った。その上で、用途転用事例が相対的に多い自治体に対して現在の利用状況を評価し、事後検証を行った。その結果、以下の4つの知見を得た。 1.既実施調査より抽出した212の用途転用事例について、行政担当者ヘインタビューによる追跡調査を実施し、現在も継続利用施設が201事例、利用停止施設が11事例であることを明らかにした。 2.用途転換事例数の多い自治体を分析した結果、用途転換による公共建築ストックの活用には、(1)行財政改革に伴う運営効率の向上、(2)市町村合併を契機とした公共施設機能とサービスの見直しと地域施設の充実の2つの傾向があることを確認した。 3.公共建築物の民間への貸与・売却の事例が多く特徴的な傾向を示す中津市の用途転換事例の検討プロセスと現況利用を考察した結果、用途転換の活用パターンには、(1)地域住民・組織による主体的活用、(2)行政による広域的活用、(3)貸与による個人的活用、以上の3つに区分できることを示した。 4.3つの活用パターンの内、(1)地域住民・組織による主体的活用は、廃校後、地域住民が利用プログラムや管理運営に関わっており、従来の集会施設とは異なる生活支援や地域の生活文化の継承といった地域の新たな拠点施設としての役割が確認できた。一方で、(2)行政による広域的活用は、未利用の公共建築ストックが倉庫のような立地によらない施設に転換するものであり、中心地域と周辺地域の適正配置の点で問題があることを指摘した。
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Research Products
(1 results)