2010 Fiscal Year Annual Research Report
12CaO7Al2O3結晶への高濃度置換ドーピングに関する研究
Project/Area Number |
22760515
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
宮川 仁 独立行政法人物質・材料研究機構, 超伝導材料センター, 主任研究員 (40552667)
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Keywords | セラミックス / イオン結晶 / 電子・電気材料 |
Research Abstract |
常圧では困難な12CaO・7Al2O3(C12A7)結晶への高濃度置換ドーピングが、高圧環境という特殊な環境を利用することで実現され、その結果として、高濃度に包接された電子又はイオンに起因したC12A7の高機能化や新機能の発現を目指している。 このためにはC12A7結晶が高圧下でも相が分解せずに存在している必要がある。そこでまず、安定に存在できる圧力・温度領域を求めるために、C12A7結晶粉末の高温高圧処理をおこなった。結果、温度1300℃のとき、圧力3GPa以下ではC12A7結晶の残留が確認できた。一方、圧力が4~6GPaでは、結晶相の分解が確認されたことから、C12A7結晶の高圧合成は3GPa以下で行えばよいことがわかった。 次に、高圧実験のための試料構成の条件出しをおこなった。元々、既存の試料構成が6GPa以上での使用を念頭にしているため、3GPaでは安定に長時間温度を維持できないこと。また、既存の試料構成では、ヒーター長さ方向に温度勾配が存在するため、均一な生成物が得られにくい、といったことがあるために必要な作業であった。まず、高圧セルの材質やサイズ、それをサポートするガスケットの大きさなどを最適化することで、圧力2.5GPaで2000℃まで安定に長時間維持できる高圧セル構成を見出した。さらに、ヒーターの長さ・厚み等の、ヒーター構成を変え、ヒーター内の温度分布の改善を試みた結果、中心部と端部の温度差を以前の~95℃から約半分以下にすることに成功し、必要とされる温度圧力領域での試料構成を確立した。
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Research Products
(1 results)