2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760574
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸岡 伸洋 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (40431473)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 鉄鋼精錬 / 水素還元 / 直接製鋼 / 不純物分配 / 革新プロセス / フォスフェイトキャパシティ / 熱力学 / 高温プロセス |
Research Abstract |
現行高炉による鉄鉱石還元は酸素分圧が低すぎるため不純物も還元され鉄に混入する。これに対しH2やCOのガス還元は酸素分圧が制御できるため、低不純物含有鉄が得られる可能性がある(直接製鋼)。この場合、炭素飽和でないため温度により固体鉄が得られるが、固体鉄と溶融スラグ間の不純物分配挙動は明確でない。そこで本研究では、①溶融スラグ/固体鉄間平衡P分配、②溶融スラグ還元時の生成固体鉄への非平衡P分配を検討した。 ①では、鉄鉱石組成ベースのスラグと固体鉄箔を1350度で20時間接触させ、分配を測定した。CO/CO2混合ガスでPO2=-11~-14乗atmに制御した。鉄箔表面のスラグを研削除去後、酸溶解、MIBKで鉄分離し、超音波ネブライザー仕様ICP-AESで分析した。その結果、高塩基度、高酸素分圧(高%FeO)ほどP分配(スラグ中/メタル中P濃度)は高く、CaO/SiO2=1.0程度で十分低P鉄が得られることが判明した。また、フォスフェイトキャパシティを算出し、既往の溶融鉄-スラグ間データと共通して使用できる相関式を提案した。 ②では、①と同様組成スラグにCOガスを吹き付けて還元し、生成鉄中P濃度を測定した。この鉄はスラグ中に分散しているため、スラグの完全分離が必要である。まず粉砕し金属鉄とスラグを磁選分離する。次に付着スラグをクエン酸水溶液で溶解除去し、さらに臭素メタノールで金属鉄相のみ溶解し、溶媒除去後、酸溶解しICP-AESで定量した。その結果、P分配はスラグ中FeO濃度と良い相関を示した。これは①の平衡P分配と同傾向だが、値は小さい。これはガス‐スラグ界面から還元し、固体鉄の生成によりスラグ中FeO濃度が局所的に低下しPを高濃度に含有する鉄が生成したためで、高純度鉄生成には攪拌が重要であることを示唆した。今後ガス吹き込みなど攪拌の影響を検討予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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