2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760591
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
片岡 祥 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境化学技術研究部門, 研究員 (50435765)
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Keywords | 反応・分離工学 / 化学工学 / 酵素 / メソポーラス材料 / 固定化 |
Research Abstract |
メソポーラス材料にリパーゼとグルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)を様々な条件で固定化し、固定化量と反応活性を調べた。リパーゼに関して、メソポーラス材料への表面修飾により吸着量が大幅に変化することがわかった。メソポーラス材料としてSBA-16を使用し、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)で疎水化することでリパーゼ吸着量を大幅に増加することができた。一方、シランカップリング剤で表面をアミノ化した場合やエポキシ化した場合、吸着量はほとんど変化しなかった。親水性であるメソポーラス材料(SBA-16)にリパーゼを固定化するためには、表面を疎水化することが適当であると考えられる。得られた固定化酵素を用いて酢酸ニトロフェニルの加水分解反応を行ったところ、活性を維持していることが分かった。一方GADの固定化では、キャリアクトQ-50(富士シリシア化学)を担体として選択した。キャリアクトには表面修飾の無い状態でもGADが多く吸着し、疎水化やアミノ化などの表面修飾による吸着量の増加はほとんどなかった。逆に表面をエポキシ化した場合、GADの吸着量は低下した。そこで、GADをキャリアクトに直接固定化して、グルタミン酸脱炭酸反応を行った。このグルタミン酸脱炭酸反応での生成物は、γ-アミノ酪酸(GABA)である。固定化GADによるバッチ反応を行ったところ、GABAを収率97%で生成し、酵素活性を維持していることが分かった。一方、連続槽型反応器を作製し、固定化GADを含む反応器にグルタミン酸を連続的に供給したところ、出口でのGABA濃度が時間とともに低下することが分かった。この酵素活性の低下は、反応の過程で副反応により補酵素(ピリドキサールリン酸)が流出したことが原因と考えられる。今後、酵素固定化法と反応条件の両面から、活性を長時間維持できるような手法の開発を検討する。
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Research Products
(1 results)