2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22770020
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
兵藤 不二夫 岡山大学, 異分野融合先端研究コア, 助教 (70435535)
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Keywords | 寒帯林 / 炭素窒素同位体 / 窒素固定 / 遷移 / 菌根 |
Research Abstract |
本研究の目的は、寒帯林の植物の窒素源と遷移過程におけるその変化を解明することである。長期にわたって大きな撹乱がない場合、遷移が進むにつれリンや窒素などの栄養塩制限をうけ、生態系は一次生産性が低下するなど衰退期(退行遷移)を迎える。しかし、その過程で植物の窒素源(溶存態有機窒素、アンモニア、硝酸)がどのように変化するか、わかっていない。本研究では植物と土壌KC1抽出液の溶存態窒素の窒素安定同位体分析によって、それらを明らかにする。 平成23年7月に、スウェーデン北部、ノルボッテン郡のアルヴィジャールの361年の遷移系列の9つの林分において調査を行った。本年度は、各調査地において、腐植及び鉱質土壌(深さ5cm)を採取した。腐植及び鉱質土壌については、2MKCl溶液によって30分浸とうし、ガラスフィルター(Whatman GFB 2時間焼き済み)で濾過しKCl抽出液を得た。また土壌試料は60℃二晩乾燥し、KCl溶液は直ちに冷凍した。これらの試料のうち、固体試料については、元素分析計付き試料分析計によって分析した。また、アンモニア態窒素、硝酸態窒素、有機態窒素の窒素同位体比は脱窒菌法を用いて測定した。現在、結果の解析中であるが、遷移が進むにつれて植物と土壌の窒素同位体比が有意に変化し、植物が菌根菌あるいは大気降下物から窒素源を得ている可能性をしさしている。また、これらKCl抽出液の窒素同位体比は、土壌(腐植)のそれを強く反映していることが示されている。今後、得られた結果を詳細に検討し、植物の利用している窒素源及びその遷移過程における変化を明らかにする予定である。
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Research Products
(2 results)