2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22770042
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
加藤 裕介 岡山大学, 資源植物科学研究所, 技術専門職員 (10437569)
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Keywords | 光合成 / 光化学系II / タンパク質分解 / 光阻害 / D1タンパク質 / FtsH |
Research Abstract |
本年度ではFtsH、Degプロテアーゼが光化学系II修復サイクルに与える影響とその関係性を明らかにするために、変異体でのD1タンパク質分解能力の評価、ならびに多重変異体の解析を行った。はじめにdeg5 deg8変異体では強光条件下でのみD1タンパク質の分解が遅れることを確かめた。また実験条件を再度検討することで、これまで検出できなかったD1タンパク質分解産物の検出を可能とした。この手法を用いて、D1タンパク質の分解機構を解析した。その結果、var2変異体においてD1タンパク質分解産物が有意に蓄積していることが示された。また、var2変異体とdeg5もしくはdeg8変異体をかけ合わせ作成したvar2 deg5、var2 deg8変異体をさらにかけ合わせ作成したvar2 deg5 deg8変異体の解析を行い、D1タンパク質分解産物がDegプロテアーゼの活性によって産生されることを明らかとした。これらの結果から、D1分解産物をFtsHがさらに分解するというD1分解モデルが実際に葉緑体内で起こっていることが証明された。また葉緑体内の他のプロテアーゼの動向を解析した結果、FtsHを欠損した変異体ではFtsHの代わりにClpプロテアーゼの発現が増加し、その一部がチラコイド膜に局在するようになることを明らかとし、葉緑体内で複数のプロテアーゼが互いの役割を相補している可能性が示唆された。今後、D1タンパク質分解メカニズムとD1リン酸化について変異体を用いて解析し、その意義を評価する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究により、D1タンパク質分解の全体像が明らかとなってきている。またD1タンパク質のリン酸化とD1タンパク質分解の関係性についても、現在仮説を検証しており、良い結果が得られている。総合的に見て、当初の計画目的を達成することは十分可能であり、研究は順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
前年と本年の研究により研究の主要な結果は得られてきた。今後は作成した多重変異体を用いた解析を続け、リン酸化とD1タンパク質分解の関係性、その生理学的意義を明確にできるよう細部の実験を行い、論文発表を目指す。
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Research Products
(3 results)