2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22770042
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
加藤 裕介 岡山大学, 資源植物科学研究所, 特別契約職員(助教) (10437569)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 光合成 / 葉緑体 / 光阻害 / タンパク質分解 / FtsH |
Research Abstract |
本研究ではFtsH、Degプロテアーゼが光化学系II修復サイクルに与える影響とその関係性を明らかにするために、変異体でのD1タンパク質分解能力の評価、ならびに多重変異体の解析を行った。はじめにdeg5 deg8変異体では強光条件下でのみD1タンパク質の分解が遅れることを確かめた。また実験条件を再度検討することで、これまで検出できなかったD1タンパク質分解産物の検出を可能とした。この手法を用いて、D1タンパク質の分解機構を解析した。その結果、var2変異体においてD1タンパク質分解産物が有意に蓄積していることが示された。また、var2変異体とdeg5もしくはdeg8変異体をかけ合わせ作成したvar2 deg5、var2 deg8変異体をさらにかけ合わせ作成したvar2 deg5 deg8変異体の解析を行い、D1タンパク質分解産物がDegプロテアーゼの活性によって産生されることを明らかとした。これらの結果から、D1分解産物をFtsHがさらに分解するというD1分解モデルが実際に葉緑体内で起こっていることが証明された。また葉緑体内の他のプロテアーゼの動向を解析した結果、FtsHを欠損した変異体ではFtsHの代わりにClpプロテアーゼの発現が増加し、その一部がチラコイド膜に局在するようになることを明らかとし、葉緑体内で複数のプロテアーゼが互いの役割を相補している可能性が示唆された。さらに、var2変異体とD1タンパク質のリン酸化が起きないstn8変異体をかけ合わせ作製したvar2 stn8二重変異体を解析した結果、D1タンパク質のリン酸化とFtsHによるD1タンパク質の分解の間に何らかの関連があることが示唆された。またD1タンパク質のリン酸化を欠く変異体ではD1タンパク質分解産物が蓄積しやすくなっており、D1タンパク質分解経路が変化している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)