2010 Fiscal Year Annual Research Report
分子シャペロンによるミスフォールディングタンパク質の凝集ダイナミクス
Project/Area Number |
22770117
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
座古 保 独立行政法人理化学研究所, 前田バイオ工学研究室, 専任研究員 (50399440)
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Keywords | 分子シャペロンタンパク質 / プレフォルディン / タンパク質ミスフォールディング病 / アルツハイマー病 / アミロイドβ / 可溶性オリゴマー / タンパク質凝集 / 細胞毒性 |
Research Abstract |
近年、天然構造が壊れ、間違ったフォールディング(ミスフォールディング)をしたタンパク質が凝集することが原因で引き起こされるタンパク質ミスフォールディング病が社会的問題となっている.代表的な疾病であるアルツハイマー病においては、アミロイドβタンパク質(Aβ)などの凝集体が主な病因と考えられている.本研究では生体内でタンパク質凝集を抑制する働きをしている分子シャペロンタンパク質の1つであるプレフォルディンがミスフォールディング病の原因とされているタンパク質凝集にどのような働きをしているかを明らかにすることを目的としている. ヒト由来配列を持つプレフォルディンとAβをインキュベートすると、Aβの凝集が抑制され、可溶性のオリゴマー構造が生成した.このオリゴマーの細胞毒性は非常に低く、プレフォルディンはAβ凝集を抑制するとともに無毒化している可能性が示唆された.プレフォルディンはAβ濃度の0.1倍量でも充分に凝集抑制効果があり、結合が非常に強いことが分かった.我々はこれまでに古細菌由来のプレフォルディンを用いた場合もAβの凝集が抑制され、可溶性オリゴマーが生成することを見出している.しかしこの可溶性オリゴマーの毒性は非常に強かった.これらの結果は可溶性オリゴマーでも高毒性のものと無毒性のものがあることを示唆している.近年アルツハイマー病では毒性の高い可溶性オリゴマーが主病因の1つと考えられているが、サイズや構造が異なる様々な可溶性オリゴマーが報告されており、未だに病因オリゴマーの特定には至っていない.本研究の成果をさらに発展させることにより可溶性オリゴマーの毒性原因について重要な知見が得られることが期待できる.
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Research Products
(17 results)