2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分裂時リサイクリングエンドソームのプロテオミクス
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22770126
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 洋平 京都大学, 薬学研究科, 助教 (90568172)
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Keywords | メンブレントラフィック / 細胞分裂 / プロテオミクス / リサイクリングエンドソーム / トランスフェリン受容体 |
Research Abstract |
細胞分裂時のリサイクリングエンドソームは細胞質全体に分散して存在しており、1つの細胞が2つの娘細胞に分かれるときに自然と分配されるものと考えられていた。ところが生きた細胞を使って細胞分裂時のリサイクリングエンドソームの挙動を観察してみると、間期とは全く異なる能動的な輸送制御を受けており、中心体の周辺にクラスター構造を形成することがわかった。この細胞内の構造のことをCRESCent (Cluster of Recycling Endosomes around Spindle Pole Centrosome)と呼んでいる。 HeLa細胞のような上皮系細胞では、間期の間は培養皿に接着して扁平な形をしているが、分裂期に入るとその形をほとんど球形に変化させる。赤道面に並んだ染色体が2つに分離するとともに細胞膜の中央がくびれていき、最終的に2つの娘細胞に分裂する。間期-分裂期-間期の細胞膜はその形や量が大きく変化している。リサイクリングエンドソームは細胞膜を小胞として細胞内部に取り込んだり、再び放出したりすることで、分裂期における細胞膜の調節をしている可能性がある。そこで本研究では細胞分裂期の細胞からリサイクリングエンドソームを単離精製し、そこに含まれるタンパク質を網羅的に解析することで、その働きを明らかにすることを目的としている。 本年度は、初めにリサイクリングエンドソームに局在するタンパク質であるトランスフェリン受容体にMEFタグを融合させた遺伝子を作製した。次にそれをレンチウイルスを用いてHeLa細胞に導入し、安定発現株を樹立した。そして、この細胞からタンデムアフィニティタグと磁性ビーズを用いたTAP法によるリサイクリングエンドソームの精製を行った。
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