2011 Fiscal Year Annual Research Report
セントロメアに特異的なクロマチン形成におけるRSF複合体の役割
Project/Area Number |
22770177
|
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
|
Keywords | セントロメア / クロマチン / CENP-A / RSF / 細胞周期 / DT40細胞 / 染色体分配 / 免疫沈降 |
Research Abstract |
生物の生命維持には、染色体が安定に保持・増殖されなければならない。染色体分配のような基本的な生体反応に狂いが生じると染色体の異数化、がん化など細胞に対する悪影響が生じる。研究代表者は、染色体分配に必須な働きを担うセントロメアの形成機構について明らかにすることを目標としている。セントロメアの形成には、セントロメアに特異的なピストンであるCENP-Aの取り込みを中心としたセントロメアに特異的なクロマチン構造の形成が重要である。これまで、代表者は、クロマチンリモデリング因子RSFが、セントロメアに特異的なクロマチン形成に関わることを見いだしてきた。本研究では、RSFのセントロメアへの局在化機構、RSFとCENP-Aとの関連、あるいは、RSFと他のセントロメアタンパク質との関連について明らかにすることを目指した。はじめに、RSF-FLAGを発現するヒトおよびニワトリ細胞株を作成して、その細胞をG1期に同調してクロマチン画分を濃縮する。その分画を用いて抗FLAG抗体を用いた免疫沈降を用いて、RSFと共沈降してくる因子の同定を行い、いくつかの候補因子を得た。 その結果、クロマチンリモデリング因子であるFACTが同定できた。生細胞観察を行うと、非常に短い時期にFACTとRSFが共局在する様子が観察できた。また、FACTのノックアウト細胞で、RSFの局在が失われることが判明した。今後は、RSFとFACTがどのように協調して、CENP-Aの局在に関わるかを生化学的手法を用いて明らかにしたい。
|