2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22770191
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
堤 弘次 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (50569853)
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Keywords | 微小管 / ポリグリシン化 / 翻訳後修飾 / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
ポリグリシン化はタンパク質の特定のグルタミン酸残基に一つあるいは複数のグリシンを直鎖状に付加するユニークな翻訳後修飾である。繊毛、鞭毛の微小管は高度にグリシン化されているが、その詳細な役割は分かっていない。これまでポリグリシン化の責任酵素は分かっていなかったが、最近Tubulin tyrosine ligase like protein 3,8,10がグリシン化酵素であることが同定された。ポリグリシン化が微小管の多様性創出の分子基盤であることを示すために、グリシン化酵素であるTTLL8欠損マウスを作成した。 TTLL8欠損マウスは正常に発生し、生殖機能などにも異常は見られなかった。TTLL8欠損マウスにおけるタンパク質のポリグリシン化を調べたところ、精巣においてポリグリシン化が大きく減少していた。また精子においてもポリグリシン化が減少していた。一方、TTLL8欠損マウスにおいてポリグルタミン酸化が上昇していたことから、ポリグリシン化はポリグルタミン酸化と拮抗する反応であることが示唆された。今後、ポリグリシン化の状態により微小管に結合するタンパク質が変化するか、精子鞭毛軸糸の構造、精子鞭毛の運動にどのような影響を与えるか調べていく予定である。
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