2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22770191
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
堤 弘次 浜松医科大学, 医学部, 特任助教 (50569853)
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Keywords | 微小管 / ポリグリシン化 / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
ポリグリシン化はタンパク質の特定のグルタミン酸残基に一つあるいは複数のグリシンを直鎖状に付加するユニークな翻訳後修飾である。繊毛、鞭毛の微小管は高度にグリシン化されているが、その詳細な役割は分かっていない。これまでポリグリシン化の責任酵素は分かっていなかったが、最近Tubulin tyrosine ligase like protein 3, 8, 10がグリシン化酵素であることが同定された。ポリグリシン化が微小管の多様性創出の分子基盤であることを示すことが本研究の目的である。 22年度の研究においてグリシン化酵素の一つであるTTLL8欠損マウスの作製に成功し、繊毛における微小管のポリグリシン化を低下させることに成功した。TTLL8欠損マウスは正常に発生し、正常に繁殖可能であった。TTLL8欠損マウスにおけるタンパク質のポリグリシン化を調べたところ、精巣において様々なタンパク質のポリグリシン化が大きく減少していた。またTTLL8欠損マウスのオスから単離した精子においてαチュブリンのポリグリシン化が減少しているが、βチュブリンのポリグリシン化は変化していなかったことから、TTLL8はαチュブリン及びチュブリン以外のグリシン化を生体内で制御していることが明らかとなった。さらにTTLL8欠損マウスの精巣、精子でポリグルタミン酸化が上昇していたことから、ポリグリシン化はポリグルタミン酸化と拮抗する反応であることも示唆された。23年度の研究では、精子の構造を光学顕微鏡、軸糸の構造を電子顕微鏡で観察を行なった。精子の構造と軸糸の微細構造は野生型マウスと大きな違いは観察されなかった。ここまでの結果を第63回日本細胞生物学会において報告した。また、精巣、精子、気管上皮、繊毛を持つ組織でのTTLL8の発現と局在を調べるためにウェスタンブロット、免疫染色に使用可能なTTLL8抗体を作成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたグリシン化酵素のノックダウン実験は、グリシン化酵素欠損マウスが完成した為に中止した。今年度達成目標に掲げた軸糸の構造の解析は完了し、繊毛/鞭毛の高速ビデオカメラによる運動解析は現在準備を進めているところである。グリシン化酵素の細胞内局在、組織分布を調べる為の抗TTLL8抗体の作製も完了しているため、おおむね順調に研究は進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
グリシン化による微小管機能制御を調べて行く。ポリグリシン化の低下が鞭毛/繊毛運動の運動能が低下させるか、波形が変化するかを調べる。ポリグリシン化の状態により繊毛/鞭毛の軸糸微小管に結合するタンパク質が変化するか質量分析による解析を行なう。さらに作成したTTLL8抗体を使用し、精巣、精子、気管上皮、繊毛を持つ組織での発現、局在を調べていく予定である。
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Research Products
(1 results)