2010 Fiscal Year Annual Research Report
Wntシグナルによる神経系・中胚葉共通前駆体細胞の制御
Project/Area Number |
22770214
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹本 龍也 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 助教 (30443899)
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Keywords | 神経誘導 / 転写制御 / 幹細胞 |
Research Abstract |
原条周辺領域には神経系原基細胞と中胚葉細胞を生みだす共通前駆体細胞(体軸幹細胞)が存在し、胴部体軸の細胞供給源として機能していることが、細胞系譜の実験から示されている。しかしながら、体軸幹細胞の維持機構や、分化を制御する分子機構は全く分かっていない。私は、転写制御因子TBX6によるSox2遺伝子発現制御が、体軸幹細胞の神経系と中胚葉系への発生運命を決めることを明らかにした。 Sox2遺伝子エンハンサーN1は、原条周辺の胚盤葉上層の細胞群で活性化され、上層にとどまる細胞でのSox2遺伝子発現を開始させる。また、上層側から原条を通過して中胚葉領域に移動した細胞群では活性が消失する。ところが、Tbx6遺伝子変異マウス胚では、中胚葉領域に移動した細胞群でもエンハンサーN1の活性化が維持される。その結果、Sox2遺伝子が中胚葉領域で発現し、異所神経管を形成する。エンハンサーN1をゲノム上から欠失させると、異所神経管形成が起こらなくなる。また、正常胚の体節中胚葉領域において、Sox2を異所発現させると異所的な神経管が形成された。このような結果から、転写制御因子TBX6によるSox2遺伝子発現制御が、体軸幹細胞から中胚葉系への発生運命を決めることに必須であると結論づけた。 また、Sox2遺伝子、Tbx6遺伝子のいずれの発現制御にもWntシグナルが関わっていることを明らかにした。Wntシグナルを可視化するマウスを作成し、胚のライブイメージングを行った。
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Research Products
(3 results)