2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトのコーディング領域トリプレットリピートの進化的意義
Project/Area Number |
22770239
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
五條堀 淳 総合研究大学院大学, 総合研究大学院・先導科学研究科, 特別研究員 (00506800)
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Keywords | 人類学 / ゲノム / 進化 / アミノ酸リピート |
Research Abstract |
本研究では、脊椎動物ゲノム中のコーディング領域におけるトリプレットリピート(アミノ酸リピート)の進化的背景を明らかにする事を目的としている。このようなリピートはヒトの遺伝病の原因遺伝子に含まれ、リピートの異常な長さが病気を起こす事が知られている。病気の原因となるような形質をなぜ高等脊椎動物、あるいは特にヒトは持つようになったか?と言う点を、ダーウィン医学的な視点から明らかにしたい。今年度はヒトと他の霊長類、マウスやラットなどの他のほ乳類のアミノ酸リピートを含む遺伝子の比較を行った。ここでは、遺伝子が作るタンパク質の立体構造に着目し、不確定領域を呼ばれる不安定な構造をつくるリピートとそうでないリピートとを区別した。これまでの先行研究では不確定領域の部分の進化が早い事が示されたが、本研究では霊長類において不確定領域を作らないリピートを持つ遺伝子の進化が早い事が示され、リピートの進化に霊長類特異的な特徴がある事を明らかにした。この成果は国際誌Molecular Biology and Evolutionに掲載された。 また、今年度は熱帯ツメガエルゲノム中よりアミノ酸リピートを持つ遺伝子を抽出し、ヒトの同様な遺伝子と相同であるか、1つ1つの遺伝子について精査した。これまでに、ヒトと熱帯ツメガエルで相同であると考えられる遺伝子でリピートを持つのが約200個同定された。今後はこれらの遺伝子を用いて、ほ乳類と両生類のリピートの進化の違いを明らかにしたい。
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Research Products
(1 results)