2010 Fiscal Year Annual Research Report
非漢字系孤立語の言語情報処理に関する視覚工学的研究
Project/Area Number |
22770246
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
鴻巣 努 千葉工業大学, 社会システム科学部, 准教授 (20316805)
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Keywords | 人間工学 / 言語情報処理 / インタフェース |
Research Abstract |
本研究は非漢字系の孤立語についてその処理過程を生理計測によって明らかにすることを目的としている.対象言語としては経済圏の大きさや話者の多さを考慮し,対象言語を採択した.まずこれらの言語において言語情報処理における視覚的処理の探索誘導トリガーおよび処理単位を明らかにする.これによりインタフェース設計や広告等の評価基準として有効な視覚情報の提示基準を提供するとともに,書写形式による認知的情報処理の相違を考察することが可能になる.本年度の成果として,難易レベルを考慮した実験刺激を作成するとともに非漢字系孤立語の言語的特徴を整理した.書写形式の特徴として,母音および声調記号が子音の上下に表記される点が挙げられる.日本語の場合は基準となる行内に全ての表記が可能であるため文章内容によって行間が変動することはないが,孤立語の一部は単語によって子音の上下方向に入力領域が必要となるため,相対的には行間が広がる傾向にある.ソフトウェアにもよるが多くの場合,他の言語にくらべ入力領域が広く必要になる.こうした特徴を考慮し,実験刺激では行間を広めにとることが適当であると判断された.さらに実験協力者および被験者の確保に目処がついた.また現地における実験環境を整備し,予備実験を行った.その結果,刺激提示におけるディスプレイサイズ及び実験刺激の提示方法について最適値を設定することができた.また,予備実験の成果から,読解時における視覚的マーカーとして,声調記号や特徴のある子音がトリガーとなっていることが予想され,今後詳細な検討をしてゆくこととした. 本年度の活動により,本研究の遂行に必要な実験および調査環境を構築した.現地の複数の大学からは刺激作成および若齢層の被験者の確保の支援を仰ぐ.また実験場所の提供について合意を得ている.また,ラオス語,クメール語の方言体系も含めて今後分析してゆく予定である.
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Research Products
(1 results)