2011 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナを用いたアブラナ科自家不和合性機構の解明
Project/Area Number |
22780002
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
諏訪部 圭太 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (50451612)
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Keywords | シロイヌナズナ / 自家不和合性 / 自他認識下流因子 / シグナル伝達 / 柱頭 / 近縁野生種 / トランスクリプトーム / 次世代シーケンサー |
Research Abstract |
アブラナ科自家不和合性の分子ネットワーク基盤構築のために、レーザーマイクロダイセクション(LM)と次世代シーケンサー(NGS)を用いたArabidopsis属乳頭細胞特異的LM-NGSトランスクリプトーム解析を行った。研究材料にはシロイヌナズナ(自家和合性)と近縁種ハクサンハタザオ(自家不和合性)を用いた。最初に、NGSに用いるための乳頭細胞mRNA調整法を確立するために、以下の2点の実験条件検討を行った。乳頭細胞をパラフィン包埋するための組織固定液は、エタノールやアセトン等の収縮作用のあるアルコールのみではなく膨潤作用のある酢酸との混合液が適しており、シロイヌナズナはエタノール:酢酸=3:1溶液、ハクサンハタザオはエタノール:酢酸=3:2溶液が最適と規定した。またLM単離した極微量の組織片からのmRNA単離・調整は、Pico Pure RNA isolation kitとRiboAmp HS plus RNA amplification kit(共にApplied Biosystems)の併用が適切と規定した。これら方法を組み合わせ、NGSに適するシロイヌナズナおよびハクサンハタザオの乳頭細胞mRNA調整法を確立した。次に、本法により各サンプルから乳頭細胞mRNAを調整し、次世代シーケンサーSOLiD 5500xl (Applied Biosystems)を用いてシーケンス解析を行った。その結果、シロイヌナズナからは65,690,858個、受粉前ハクサンハタザオからは101,509,267個、受粉後ハクサンハタザオからは180,513,651個のシーケンスリードを獲得した。これらシーケンスリードをゲノム配列にマッピングしTAIRデータベースの遺伝子情報と比較した結果、シロイヌナズナおよびハクサンハタザオの乳頭細胞ではそれぞれ17,240種、19,260種の遺伝子が発現していることを明らかにした。これら遺伝子の大部分(14,859種)はすべてに共通するものであったが、種々のバイオインフォマティック解析により自家不和合性関連886種、花粉の吸水促進569種、吸水阻害713種、花粉発芽・誘導569種に関与遺伝子を絞り込み、自家不和合性を含む乳頭細胞における様々な機能を制御する遺伝子群を明らかにした。
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[Presentation] NGS Transcriptome of Small RNAs in Rice Male Gametophyte Development2012
Author(s)
Tomoaki Fujioka, Kazuki Hamada, Kohei Hongo, Kentaro Yano, Hiromi Masuko-Suzuki, Kaori Yamamura, Amane Makino, Tadahiko Mae, Keita Suwabe, Go Suzuki, Masao Watanabe
Organizer
Plant & Animal Genome XX
Place of Presentation
San Diego, USA
Year and Date
20120114-18
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