2010 Fiscal Year Annual Research Report
NBRPコムギデータベースを利用したコムギ縞萎縮病抵抗性遺伝子の解析
Project/Area Number |
22780008
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Research Institution | 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 |
Principal Investigator |
鈴木 孝子 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 農業研究本部・中央農業試験場作物開発部, 研究主任 (00462375)
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Keywords | 育種学 / 遺伝子 / ゲノム |
Research Abstract |
本研究は、コムギ縞萎縮病研究において、病徴が明確で実験材料として適したコムギ品種「ホクシン」に、アメリカのコムギ品種「Madsen」の抵抗性遺伝子を導入した準同質遺伝子系統、および「ホクシン」と「Madsen」の単交配由来の組み換え自殖系統(RILs)を利用して試験を行った。 平成22年には、「ホクシン」、準同質遺伝子系統およびRILsのゲノムDNAを用いて、2DL上に座乗していると推定される抵抗性遺伝子YmMDに強連鎖した2個のDNAマーカーを開発した。開発したDNAマーカーは抵抗性と感受性が区別でき、ヘテロ型も判別できる共優性マーカーで、アガロースで簡易に判定できるため、今後縞萎縮病抵抗性遺伝子に関する研究および縞萎縮病抵抗性品種開発において幅広く活用できる。 また「ホクシン」×「Madsen」単交配由来のRILsをコムギ縞萎縮病検定圃場に播種し、コムギ縞萎縮ウイルス(WYMV)の検出の有無を調査した後、各系統からDNAを抽出してNBRPコムギ推奨マーカーセットで遺伝子型の調査を行いQTL解析した結果「Madsen」に存在する効果の高い抵抗性QTLを3BS染色体上に見いだした。そこでさらに3BS上の抵抗性QTL近傍に位置する複数のDNAマーカーによってRILsの遺伝子型の調査を行いQTL解析した結果Xbarc147~Xwmc808の間にコムギ葉身におけるコムギ縞萎縮病ウイルス検出の有無に関する効果の高いQTL(LOD値12.8)が存在していた。
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