2010 Fiscal Year Annual Research Report
連鎖地図に基づくタマネギとネギのゲノムシンテニーの解明
Project/Area Number |
22780009
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
塚崎 光 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜茶業研究所・野菜育種研究チーム, 主任研究員 (30355622)
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Keywords | タマネギ / 連鎖地図 / ゲノム比較 / 着色性 / シンテニー / ネギ |
Research Abstract |
ネギおよびタマネギにおいて、各種DNAマーカーの開発及び連鎖地図の作成が進んだことから、両種のゲノムシンテニーを利用した比較マッピングへの展開が期待される。しかし、これまでタマネギにおいて構築されている連鎖地図には、共通のマーカーがほとんどないことからネギとのゲノム比較は行われていない。その一方で、細胞遺伝学的研究からは、ネギとタマネギの種間雑種において、両種間で転座や挿入のような染色体変異が生じていることが示唆されている。そこで、タマネギにおいて連鎖地図を構築して、共通マーカーによりネギとのシンテニーの程度を明らかにすることを目的とする。 材料にはタマネギF2分離集団(黄タマネギ×赤シャロットの135個体)を用いた。F2集団における球外皮の着色程度は連続的な分布を示したが、着色の有無に関しては3:1の分離比を示したため、形質マーカー座(Pg)とした。タマネギESTおよびネギSSR(計660マーカー)を用いて、162の多型マーカーを選抜し、JoinMap ver.4.0を用いて122マーカーが座乗する基本的な連鎖地図を構築した。Pg座は連鎖群LG03にマップされた。 ネギおよびシャロット染色体との関係から、Pg近傍マーカーの領域は7番染色体に対応することが推定された。そこで、アントシアニン合成に関与する遺伝子のうちシャロット7番染色体に座乗することが知られているF3'HおよびDFRについてSNPマーカーを得た。その結果、DFRの遺伝子型がタマネギ型のF2個体はすべて着色が認められず、ヘテロ型、シャロット型の順に着色程度が有意に高くなった。このことから、本分離集団における着色性にはDFRが深く関与していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)