2010 Fiscal Year Annual Research Report
シスプラチン毒性代謝物の尿細管輸送特性に基づく腎障害予防法の基盤構築
Project/Area Number |
22790153
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
岩本 卓也 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (30447867)
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Keywords | シスプラチン / 腎障害 / 薬物トランスポータ / システイン複合体 |
Research Abstract |
生体内に投与されたシスプラチン(CDDP)の一部は肝臓でグルタチオン複合体(CDDP-GSH)に変換され、次いで細胞表面酵素によってシステイン複合体(CDDP-Cys)へと変換される。CDDP-Cysは細胞内に取り込まれ、毒性本体と考えられるチオール化合物(CDDP-S^-)へと変換される。CDDPによる腎障害には、CDDP-Cysの尿細管輸送特性が深く関わることが予想されるため、本研究は、CDDP-NAC(N-アセチルシステイン複合体)の尿細管輸送に関わる薬物トランスポータの役割を解明することを目的として実施した。 初年度は、各種培養細胞を用いて、CDDP,CDDP-NACの細胞毒性、尿細管薬物輸送を評価した。細胞株としては、ヒト有機アニオントランスポータ(OATs)又はヒトOCT2を発現させたヒト胎児腎由来HEK細胞、OATsを保持しているフクロネズミ腎由来のOK細胞、近位尿細管上皮細胞の性質を保持するブタ腎由来のLLC-PK_1細胞を用いた。有機カチオントランスポータを発現するLLC-PK1細胞では、CDDPを曝露した時に細胞毒性の指標であるLDHの細胞外への放出が顕著であったことから、CDDPの生体膜輸送には有機カチオントランスポータが関わることが確認された。また、OAT1, OAT3を発現させたHEK細胞では、CDDP-NACの細胞内取り込み速度がコントロール細胞に比べ有意に上昇した。このことから、ODDP-KACの生体膜輸送にはOAT1, OAT3が関与することが示唆された。
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[Journal Article] Romidepsin (FK228), a potent histone deacetylase inhibitor, induces apoptosis through the generation of hydrogen peroxide2010
Author(s)
Mizutani H, Hiraku Y, Tada-Oikawa S, Murata M, Ikemura K, Iwamoto T, Kagawa Y, Okuda M, Kawanishi S
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Journal Title
Cancer Science
Volume: 101
Pages: 2214-2219
Peer Reviewed
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