2011 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティクス制御による甲状腺癌の分化誘導と上皮間葉転換抑制に関する研究
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22790342
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
近藤 哲夫 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (30334858)
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Keywords | 分子病理 / エピジェネティク / 甲状腺癌 |
Research Abstract |
本研究の目的は甲状腺濾胞上皮の機能分化を司るTTF-1遺伝子に主な焦点を当て、第一はエピジェネティクス機構の修飾により甲状腺癌細胞にTTF-1を誘導する有効的な方法を確立すること、第二は分化誘導への発展性を探るべくTTF-1のgain-/loss-of-functionによるアプローチから甲状腺癌細胞においてTTF-1に誘導される甲状腺機能分子の発現と甲状腺ホルモンの産生・分泌能の獲得をin vivo、in vitroのレベルで明らかにすること、第三はTTF-1を含めた甲状腺機能分子の発現と甲状腺ホルモン産生の獲得がもたらす腫瘍抑制効果を分子物学的に検証することである。 TTF-1の全長cDNAをインサートした発現ベクターをTTF-1発現陰性の甲状腺癌培養細胞株にトランスフェクションし、TTF-1の一過性発現細胞及び薬剤選択によるTTF-1の安定発現細胞株を樹立した。一過性発現、安定発現細胞株ともにTTF-1の強制発現のみによってはサイログロブリン、TSH受容体、ヨード輸送体NIS、サイロイドペルオキシダーゼなどの甲状腺機能分子の発現や甲状腺ホルモン産生を誘導することはできなかった。 TTF-1の発現誘導による上皮間葉移行(EMT)、浸潤能への影響についてEMT関連転写因子TWIST、SNAI1、MMP2の遺伝子発現を分析したがTTF-1強制発現細胞株とTTF-1陰性コントロール細胞株で有意な差は認められなかった。 MTT細胞増殖アッセイではTTF-1発現誘導により甲状腺癌細胞の増殖抑制が有意におこることが確認された。TTF-1による増殖抑制のメカニズムをさらに探るためTTF-1強制発現細胞株とTTF-1陰性コントロール細胞株のmRNA発現の差異をcDNAマイクロアレイによって網羅的分析を行いTTF-1発現誘導により有意に増加する遺伝子群と減少する遺伝子群が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DNAの過剰メチル化により発現が抑制されるTTF-1には甲状腺癌において増殖抑制の働きがあることがわかったが、その分子機序については解明が不十分である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は低酸素刺激に対するEMT関連遺伝子群、VEGF群、MMPs群の応答へのTTF-1発現の影響とcDNAマイクロアレイによってピックアップした遺伝子群とTTF-1発現との関連性についてさらに分析を行い、その研究成果を学会発表、英文誌への投稿を行う予定。
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Research Products
(1 results)