2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790478
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田中 宏和 独立行政法人理化学研究所, 免疫転写制御研究チーム, 特別研究員 (50569556)
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Keywords | リンパ球分化 / 胸腺細胞 / BCl11b転写因子 / Runx転写因子 |
Research Abstract |
Tリンパ球の発生・分化過程を解明することは免疫学の大きな課題であるが、多分化能を持つ血液前駆細胞からT細胞系列への運命決定を制御する転写因子ネットワークは未だ解明されていない。申請者は、胸腺細胞のヘルパー/キラー系列決定機構の研究過程においてRunx1転写因子とBcl11b転写因子が相互作用し、ヘルパー系列分化へのマスター転写因子ThPOKの発現を制御することを発見した。Runx1転写因子とBcl11b転写因子は共に胸腺細胞の初期分化やDP胸腺細胞の正の選択に必須であることを考えると、Runx1転写因子とBcl11b転写因子はTCRシグナルの下流で協調して細胞分化運命プログラムを制御することが考えられる。そこで、本研究ではRunx1と結合出来ないBcl11b変異体の同定とそのノックイン変異マウス作製による機能解析、及びゲノム科学的手法によるBcl11b転写因子の標的遺伝子の同定により、T細胞系列への運命決定を制御する転写因子ネットワークの解明を目指している。平成22年度の研究成果として、Runx1転写因子との相互作用の安定性が減衰するBcl11b変異を同定し、ノックインマウス作製に着手した。また、Bcl11b転写因子の標的遺伝子の探索を目的にChIP-seq法を施行し、Bcl11b転写因子の標的遺伝子のみならず、Bcl11b転写因子の染色体結合に必要な共通保存配列の抽出を目指したデータ解析を行った。Runx1転写因子の標的遺伝子の探索も同時に施行し、Bcl11b転写因子とRunx1転写因子が共同して結合する領域の探索を行った。本研究成果の一部は『第14回国際免疫学会議』で発表した。
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Research Products
(1 results)