2010 Fiscal Year Annual Research Report
医療機器への充電池の応用?医療廃棄物の削減を目指して?
Project/Area Number |
22790489
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新 秀直 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90444091)
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Keywords | 医療・福祉 / 臨床工学 / 二次電池 |
Research Abstract |
本研究の目的は再利用可能な充電池を医療機器に応用することで,電池廃棄物の削減と資源の有効活用を図ることにある.医療機器では,電源供給として乾電池が使用されている機器も多い.乾電池の代わりに充電池を使用することが可能となれば,地球環境に優しい医療の提供が可能となる.本研究では,医療機器へ充電池を使用し,実際の医療現場における充電池管理システムの構築や運用面の問題を洗い出し,臨床での充電池の使用方法を模索するものである.本年度の計画としては,(1)バーコードによる充電池管理システムの構築.(2)充電池内部抵抗モニタリングシステムの構築を目指して研究を進めた.(1)に関しては,ノートパソコンを用いて充電池をバーコードで管理するシステムを構築し,動作検証を行った,(2)については,リアルタイムにパソコンと通信できる内部抵抗測定装置の選定に時間がかかったことにより,装置の選定に重点を置いて検討を行った.今後,管理システムの構築を目指す計画てある. また,東日本大震災の影響で,病院内の乾電池の供給が出来なくなる事態に陥り,一時的に送信機に対して充電池を使用した.充電池はアルカリ乾電池に比べて連続作動時間は約75%(約6日)であり,電池交換警報が発生する時間が短いということに基づき,週2回(火曜日,金曜日)の定期的な充電池の交換をすることで,安全に充電池が使用できるように運用を定めた.しかし,使用中に電池が切れてしまう事例が発生した.心電図測定に加えて,酸素飽和度を常時使用するような症例であり,その場合には,発光量が測定環境によって変化するために,実験よりも連続使用時間が短くなってしまったことが要因として考えられた.今回は一時的な使用となったが,充電池を使用した場合に,使用状況によっては,使用時間や,電池交換警報が発生する時間が短いという欠点について,運用上カバーできない可能性があることが示唆された.
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