2011 Fiscal Year Annual Research Report
血清糖タンパク質・ペプチド解析による原発性肝細胞癌のマーカー探索・同定・臨床応用
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22790521
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
曽川 一幸 千葉大学, 医学部附属病院, 寄附研究部門教員 (50436440)
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Keywords | 原発性肝細胞癌 / レクチンビーズ / MALDI-TOF MS / 二次元電気泳動 / N型糖タンパク質 / N型糖ペプチド / 血清 / プロテオーム解析 |
Research Abstract |
わが国の年間の原発性肝細胞癌による死亡者数は3万人を超え早期診断体系において、現在利用されている腫瘍マーカー(AFP,AFP-L3,PIVKA-II)はその診断効率において超音波検査などの画像診断に及ばないのが現状であり、新たなマーカーの探索が急務である。昨年度の探索・同定結果から新規腫瘍マーカー候補N型糖タンパク質・ペプチドの検証を行う。健常者・慢性肝炎患者・肝硬変患者・原発性肝細胞患者各50症例を対象に新規腫瘍マーカー測定と共に既存腫瘍マーカー(AFP,AFP-L3,PIVKA-II)を測定し比較検討することを目的としている。 血清中のN型糖タンパク質解析では、原発性肝細胞癌患者手術前後血清20組(計40検体)を使用し、血清中のメジャータンパク質12種類を除去し、MB-LAC ConA,MB-LAC LCA(Bruker Daltonics社)を使用し、N型糖タンパク質を抽出後、逆相HPLCで分画した各フラクションを二次元電気泳動で解析した。手術術前後に42スポット統計学的有意差(p<0.05)が認められた。手術前後血清10組以上で、Desmoplakin、Elongation factor2、Heat shockprotein HSP 90-beta、Lamin-A/C、Involucrin、Serpin B3、Serpin B4、Glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase、Protein S100-A9は手術前で発現量が高く、特にGrowth/differentiation factor 5の発現量の増加がみられた。検証を行うため、健常者血清、慢性肝炎患者血清、肝硬変患者血清及び原発性肝細胞癌患者血清各50検体を使用し、Growth/differentiation factor 5のELISA kitを用いて解析した。肝硬変患者血清と原発性肝細胞癌患者血清との問で統計学的有意差(p<0.01)が認められた。既存腫瘍マーカー(AFP,AFP-L3,PIVKA-II)との比較検討は、現在行っている。
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Research Products
(7 results)