2011 Fiscal Year Annual Research Report
TRAIL分泌促進成分による新規分子標的癌予防法の開発
Project/Area Number |
22790547
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
友杉 真野 (堀中 真野) 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (80512037)
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Keywords | 癌 / TRAIL / DR5 / タンパク質分泌機構 / 併用 |
Research Abstract |
癌予防法の開発は社会的にも重大な課題である。サイトカインの一種であるTRAILは、癌細胞に対して特異的にアポトーシスを誘導する。さらに近年の研究により、TRAILは癌予防効果を持つことが明らかにされた。本研課題では、食品成分から「TRAIL分泌促進成分」を探索し、今までに申請者らが見出してきた「DR5発現誘導成分とTRAIL発現誘導成分」という組み合わせに加える。それぞれの単成分投与時に比して、相乗的な癌予防効果が期待される。さらに、食品成分の中からTRAILの分泌を促進する成分は未だ見出されておらず、本研究において経口摂取可能なTRAIL分泌促進成分を見出すことができれば、TRAILの能力を最大限に発揮させることが可能になると考えられる。本研究は、1)TRAIL分泌機構の解明、2)TRAIL分泌促進成分の探索、3)従来の研究成果であるDR5発現誘導成分、及びTRAIL発現誘導成分に加え、今回の研究成果であるTRAIL分泌促進成分との三者併用による「癌の分子標的併用予防法」の開発を目的とする。 23年度には、「TRAIL分泌促進成分」として昨年度見出した『酪酸菌』を用い、まずはTRAIL分泌機構の解明を行った。その結果、酪酸菌は、TLRシグナルを介して好中球において蓄積されたTRAILの細胞外への放出を促す働きを有することが判明した。さらに、その分泌機序にはMMP-8の関与が示唆された。酪酸菌単独投与で癌細胞に対する細胞傷害活性が増強し、さらにマウスに移植した腫瘍に対する効果を検討したところ、顕著な腫瘍増殖抑制効果を示した。現在までの成果をまとめ、23年度には学会で7件の発表を行った。さらに論文としてまとめ、現在は国際誌へ投稿中である。
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Research Products
(7 results)