2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790596
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
尾関 宗孝 京都大学, 医学研究科, 助教 (80549618)
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Keywords | 法医検査 / 死後経過時間 / 生体時計 / リアルタイムPCR |
Research Abstract |
本研究では法医実務におけるRNAの利用を試みるために、日内変動を示すことが明らかにされている生体時計遺伝子群のmRNA量をリアルタイムPCRを用いて定量・数値化することにより、新規な日内死亡時刻の推定法の開発に向けた基礎的知見を得ることを目的する。 マウス生体時計遺伝子Clock、Bmal、Cry、Perの4遺伝子をPCRの標的とし、それぞれを特異的に増幅するプライマーをデザインした。昼12時に安楽死させたマウス臓器よりRNAを調整し、RT-PCRにより標的遺伝子を増幅した。ポリアクリルアミド電気泳動によりそれぞれの標的遺伝子の増幅と特異性を観察し、さらに塩基配列を確認することでこれらプライマーが本研究においてリアルタイムPCRに供するに足るものであるとした。また、各遺伝子について異なる臓器分布があり、サンプルとして適する臓器の選択が必要であった。実験結果の考察に際し常に一定量以上の発現が確認できることが望ましいと考えた。また、さらに夜12時にサンプリングを行い同様の実験を試み、これらの結果をあわせて標的臓器として脳、肝臓、腎臓および食道が適しているものと判断した。また、研究計画において法医実務上望ましいと考えられた血液については遺伝子産物の増幅が確認できず、サンプルとして不適であることがわかった。 現在はこれら2点のサンプリングに合わせてさらに朝6時及び夕6時でのサンプリングを行い、計4点において標的遺伝子の変化をリアルタイムPCRにより定量解析を行っている。しかしながら、個体間での違いも有意に認められており、サンプリング方法の改良等を試みている。
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