2010 Fiscal Year Annual Research Report
非アルコール性脂肪性肝障害に対する桂枝茯苓丸の効果
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22790615
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤本 誠 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (30377337)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 非アルコール性脂肪性肝障害 / NAFLD / NASH / 漢方 / 桂枝茯苓丸 / pioglitazone |
Research Abstract |
我々は、2008年に、ウサギNAFLD (nonalcoholic fatty liver disease,非アルコール性脂肪性肝障害)モデルを用いた実験で、漢方方剤である桂枝茯苓丸がNAFLDの進展予防効果を発揮することを報告した。今回の研究は、より人のNAFLDに近いモデルと考えられるマウスNAFLDモデルに桂枝茯苓丸を投与し、メタボリックシンドロームおよびNAFLDに対する桂枝茯苓丸の効果に関するデータを集積することを目的に実施した。 最もNAFLDの病勢を評価するのに重要な病理学的評価において、桂枝茯苓丸群はコントロール群と比較して有意差を呈さなかったが、コントロール群と桂枝茯苓丸群は、いずれもpositive control群として設定したpioglitazone群よりも有意に肝脂質沈着が軽度であった。病理組織学的評価において、肝小葉内の炎症や肝細胞風船様膨化の評価項目については、コントロール群、桂枝茯苓丸群、pioglitazone群との間で有意差は見られなかった。血漿脂質については、中性脂肪はコントロール群よりも有意な低下が観察されたが、総コレステロールと遊離脂肪酸については同様の結果は得られなかった。血漿グルコース、インスリンについては、ウサギモデルで評価したときと同様、コントロール群との間には有意差は観察されず、この結果を反映して血漿レプチンはコントロール群と桂枝茯苓丸群との間で有意差は観察されなかった。肝体重比、内臓脂肪体重比ともにコントロール群、桂枝茯苓丸群、pioglitazone群との間に有意差は観察されなかったが、体重はpiglitazone群がコントロール群と桂枝茯苓丸群よりも有意に高値を示した。
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