2011 Fiscal Year Annual Research Report
HCV母子感染例におけるHCVゲノム分子進化速度とIFN治療効果の関係
Project/Area Number |
22790622
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
伊藤 孝一 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (00444977)
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Keywords | HCV / 遺伝子 / NS5B / IFN / 母子感染 |
Research Abstract |
対象と方法:対象は当院小児科にてフォロー中のC型慢性肝炎患者8例。年齢は5-16歳。HCV遺伝子型は1b型A例、2a型 5例、2b型 2例。対象に対してPeg-IFN単独療法を施行した。治療期間は24または48週を予定した。 治療期間中に採取した血液は凝固後、直ちに遠心し、RNA抽出時まで凍結保存した。解析時、保存血清よりSepaGene(三光純薬)を用い、添付のマニュアルに従いHCV RNAを抽出した。抽出したRNA、random primer及び逆転写酵素を用い、逆転写を実施しcDNAを作成後、NS5b領域に設定したprimer及び、Fast Taqを用い、nested PCR法で増幅した。増幅産物は、3%アガロースゲルで泳動後、陽性バンドからDNAを切り出した。切り出したDNA、2nd PCRで用いた2組のprimer、Big Dye Kit(Applied BioSystems)にて、Sequence反応を実施し、Sequence解析装置で、目的領域の塩基配列を両方向から決定した(Direct Sequence法)。 結果:7例は治療完遂し、1例はALT著増のため12週で治療中止した。治療4週時、8週時のHCV-RNA陰性化は、それぞれ3例(38%)、8例(100%)。治療終了後24週でのHCV-RNA陰性(SVR)は7例(88%)であった。治療中止した1例も4年以上HCV-RNA陰性が続いている。平成23年度中にHCVの遺伝子解析が可能であったのは5例。この5例において、治療前と治療開始後2~3週時点でHCV NS5B領域に遺伝子変異を認めなかった。 7例に対してIL28B遺伝子多型解析を施行し、6例がメジャーアレル(TT)、1例がマイナーアレル(TG)だった。 考察:小児C型慢性肝炎に対するPEG-IFN単独療法の治療成績は良好である。治療開始後、速やかに血中HCV量は減少することが期待できる。Peg-IFN単独療法により、HCV Ns5b領域は変異をきたさない。
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Research Products
(1 results)