2011 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄幹細胞とマクロファージの相互作用を用いた次世代型肝修復療法の開発
Project/Area Number |
22790647
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石川 剛 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20569305)
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Keywords | 肝再生 / 肝線維化 / 骨髄細胞 / マクロファージ |
Research Abstract |
我々が開発した「骨髄細胞から肝細胞への分化・増殖評価モデル(green fluorescent protein/carbon tetrachloride (GFP/CC14)モデル)」において骨髄由来細胞が肝線維化の改善に寄与していることをすでに報告した(Sakaida I, et al. Hepatology 2004)。さらに前年度の研究で、本モデルにおける線維化改善過程にKupffer細胞を含むマクロファージが重要な働きを果たし、またSDF1-CXCR4シグナリングが密接に関与していることが示唆されたため、今年度の研究ではGFP/CC14モデルの全骨髄細胞からF4/80陽性分画を分離・抽出し、それらの移植により線維化改善効果を証明することとした。 1、ドナーの骨髄由来マクロファージの効果を解析すべく、(1)全骨髄細胞、(2)F4/80陽性骨髄細胞、(3)F4/80陰性骨髄細胞をそれぞれ慢性肝障害マウスに尾静脈から移植し、それらの肝組織を用いて肝線維化に関する詳細な検討を行った(シリウスレッド染色・免疫染色、in situ zymography、gelatin zymography、ウェスタンブロットなど)結果、(1)と(2)ではほとんど差がなく、(3)に比して有意に肝線維化が抑制された。 2、レシピエントの骨髄由来マクロファージの効果を解析すべく、レシピエント(慢性肝障害マウス)に対してGM-CSF(granulocyte macrophage colony-stimulating factor)を投与することでマクロファージを誘導し、それらの肝組織を用いて肝線維化に関する詳細な検討を行った(シリウスレッド染色、免疫染色、in situ zymography、gelatin zymography、ウェスタンブロットなど)。GM-CSF投与群と非投与群では前者の方が明らかに線維化が改善した。
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