2011 Fiscal Year Annual Research Report
次世代シーケンサーによるB型急性肝炎慢性化成立機序の解明
Project/Area Number |
22790679
|
Research Institution | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
Principal Investigator |
伊藤 清顕 独立行政法人国立国際医療研究センター, 肝炎・免疫研究センター, 肝疾患先進医療研究室長 (50551420)
|
Keywords | B型急性肝炎 / 慢性化 / SNPs / HBV / 次世代シーケンサー / GWAS / HLA-DP / ジェノタイプ |
Research Abstract |
最近、本邦のB型急性肝炎において欧米型であるgenotype Aの占める割合が急速に増加していることが報告されている。Genotype Aによる急性肝炎は、他のgenotypeと異なり10%程度が慢性化することが知られており、臨床上重要な問題である。本研究においては、ウイルス側と宿主側の双方のファクターを解析することにより、genotype Aによる急性肝炎の慢性化に関わる因子を明らかにした。全国より収集した643例のB型急性肝炎症例において、ウイルス側の因子であるHBVジェノタイプの測定を完了した。宿主DNAに関しては、B型急性肝炎27例、B型慢性肝炎20例を収集した。宿主側のファクターとして報告されているHLA-DPA1およびHLA-DPB1に関連するSNPsであるrs3077およびrs9277535(Kamatani Y et al.,Nat Genet,2009)を我々の開発したInvader法により測定した。その結果、genotypeAのB型急性肝炎に関しては、minor homozygotes 2/27(7.4%)、hetero 13/27(48.1%)、minor homozygotes 12/27(44.4%)であり、genotype AによるB型慢性肝炎ではmajor homozygotes 0、hetero 10/20(50.0%)、minor homozygotes 10/20(50.5%)とHLA-DP locusと成人でのB型急性肝炎の慢性化との関連は認められなかった。今後さらに症例数を増やして解析を行い、GWASによる網羅的な解析も行う予定である。また、ウイルス側の要因として、B型急性肝炎のシリーズ血清を次世代高速シーケンサーにより解析を行った。急性肝炎後に遷延化した症例においてHBVのpopulationに継時的な変化を認め、次世代シーケンサーにより多数cloneの解析が可能となったことにより特徴的な所見を得ることができた。
|
Research Products
(7 results)