2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗ミッドカインRNAアプタマーによる実験的自己免疫性脳脊髄炎抑制機序の解明
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22790816
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
薗部 佳史 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, COE特任助教 (20534845)
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Keywords | 多発性硬化症 / 神経免疫 / 制御性T細胞 / 樹状細胞 / 細胞内シグナリング |
Research Abstract |
今年度においては、ミッドカインによる樹状細胞を介した制御性T細胞(regulatory T cell : Treg)の分化抑制メカニズムについてin vitroにおいて解明し、ミッドカインの免疫学的、生理学的重要性について明らかにすることを目的として研究を行った。 ・ミッドカインで刺激された制御性樹状細胞によるTreg分化抑制メカニズムについて 制御性樹状細胞により誘導されるTregの分化はリコンビナントIL-12を加えることにより有意に抑制された。また、ミッドカインで刺激された制御性樹状細胞におけるTreg分化抑制効果は抗IL-12中和抗体を加えることにより抑制された。したがって、ミッドカインによる樹状細胞を介したTreg分化抑制メカニズムにはIL-12が関与していることが示唆された。 ・ミッドカインで刺激された制御性樹状細胞におけるIL-12誘導メカニズムについて 骨髄細胞をミッドカインで刺激することにより、脱リン酸化酵素であるSrc homology region 2 domain-containing phosphatase-2 (SHP-2)が誘導された。また、ミッドカインで刺激された制御性樹状細胞におけるリン酸化STAT3の抑制、IL-12の誘導、Treg分化抑制のそれぞれの効果が、SHP-2の阻害剤を加えることによりキャンセルされた。したがって、ミッドカインによる制御性樹状細胞におけるIL-12の誘導、すなわちミッドカインによる樹状細胞を介したTreg分化抑制にはSHP-2が関わることが示唆された。したがって、ミッドカインによるSHP-2を介したIL-12の誘導が、樹状細胞を介したTreg分化抑制に寄与するものと考えられる。 本研究結果は、新たなミッドカインの樹状細胞に対する作用機序の解明へとつながり、免疫学的、生理学的に重要であると考えられる。
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Research Products
(8 results)