2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期制御分子Cdh1の造血器特異的不活化による細胞分化制御機構の解明
Project/Area Number |
22790919
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石澤 丈 慶應義塾大学, 医学部, 研究員(非常勤) (60445260)
|
Keywords | 細胞周期 / 造血 |
Research Abstract |
近年、細胞周期制御因子特にGO/G1期の制御を担う分子と細胞分化との関連が解明されつつある。ユビキチンリガーゼ活性化因子として知られるCdh1が、分裂期制御の機能のみならず,G0/G1期制御因子としての機能も持つことに着目し,Cdh1が細胞分化に関わる機能をも持つとの仮説を立て、本研究室で解析を進めてきたgene trapマウスのES細胞を活用し,造血器特異的Cdh1不活化マウスを作製した。これらのマウスについて末梢血の推移を4カ月間解析したところ,有意差を認めなかった。一方で全骨髄有核細胞数について,pIpC投与後4ヵ月のCdh1不活化マウスにおいて有意な減少を認めた。そこで,骨髄有核細胞における各分化段階の割合を解析したところ,成熟分化プロジェニター分画の数、および幹細胞分画でのコロニー形成能に有意な減少が起こっていることが確認された。このようなプロジェニター及び幹細胞の数的あるいは機能的低下の原因として遺伝子毒性ストレスを考え,放射線照射への脆弱性評価を行った。放射線照射後の骨髄細胞を用いたコロニーアッセイ,マウスへの照射後48時間での骨髄細胞数ともに,Cdh1不活化マウスにおいて有意な減少を認め,中でも成熟分化プロジェニター分画とCD34陰性幹細胞分画において有意な減少が確認された。臓器特異的Cdh1不活化マウスの報告は本研究が世界で初めてである。本研究によりCdh1は遺伝子毒性因子からの保護機能を通じて,造血器成熟分化プロジェニターと幹細胞分画において特に,骨髄内でのプールサイズの制御を担っていること,またその背景としてCdh1のG2/M期制御機能が重要な役割を持つことが示された。
|