2011 Fiscal Year Annual Research Report
小児難治性白血病に対する臍帯血ナチュラルキラー細胞による抗白血病効果
Project/Area Number |
22790971
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
大城 浩子 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (50377537)
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Keywords | NK細胞 / 急性リンパ性白血病 / 臍帯血移植 / KIRリガンド不一致 |
Research Abstract |
本研究は難治性小児ALLに対して各種白血病/臍帯血NK細胞間の細胞障害活性に関与する主たるリガンド/受容体を同定し、臍帯血NK細胞による抗腫瘍効果の増幅を行い、臍帯血移植をベースとしたNK細胞療法により小児難治性白血病の治療成績の改善を目指すものである。 結果:1.健常人末梢血NK細胞は11q23転座型急性リンパ性白血病(ALL)以外の1;19転座型、T細胞型、Philadelphia染色体陽性型ALL細胞株に対しても、細胞障害活性を有することを確認した。またこれらの細胞株のNK受容体リガンドの発現を測定したところ、程度は様々ではあるが、発現していた。2.我々は以前、健常人末梢血NK細胞では、T-ALL細胞株に対する細胞傷害活性に活性化型NKレセプターであるNKG2Dが関与しており、またNKG2Dのハプロタイプによって傷害活性の強度に違いがあることを確認したが、その他の活性化型NKレセプターであるNKp30,NKp44,DNAM1のブロッキング実験では細胞障害活性の抑制が明らかでなかった。3.健常人末梢血NK細胞にリコンビナントヒトIL-2を添加し培養したところ、CD56陽性NK細胞の比率は増加した。 NK細胞による抗腫瘍効果は11q23転座型ALL以外のALL細胞株に対しても得られている。またこの傷害活性の強度にNKG2Dレセプターが深く関与している可能性が高い。NKG2Dレセプターのリガンドを発現しているALL細胞に対しては、抑制型NK受容体であるKIRリガンドミスマッチとの併用で、より強い抗腫瘍効果が期待できるかもしれない。
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Research Products
(2 results)